メディア掲載情報
2025 年のメディア掲載情報
2025年10月発売・発行・公開の雑誌等メディア掲載情報です。
ぜひご覧ください。
2025年10月20日発売 モーストリー・クラシック(12月号)
公演レビュー 名古屋フィルハーモニー交響楽団第537回定期演奏会(9/5)
(前略)
次に演奏された小出雅子の新作《Junction》は、夫婦間DVの後に植物状態になった夫から多様な植物が芽吹いて生い茂る物語を、青木涼子の謡と、あらかじめ録音された朗読(小説『植物人間』の著者朝吹真理子)、そしてオーケストラが紡ぐという構成。曲がりくねったフレーズが印象的だが、全体に音数が少なめにセーブされている。客席上方から聞こえる朗読がリアルに響く一方で、青木の謡と管弦楽はホール特有の反射音を伴って、別世界の音として響く。会場では、クリアな朗読よりもむしろ、跳ね返り音とともに聞こえるオーケストラの方が安心感をもって受け止めやすい。そうしてみると朗読音がもっと抽象的に響くようなデザインが良かったのかと思う。
(後略)
(水野みか子◎名古屋音楽大学特任教授)
2025年10月18日発売 音楽の友(11月号)
News & Information 愛知4大オーケストラが集結! ブラームス交響曲全曲演奏会
名古屋フィルハーモニー交響楽団、セントラル愛知交響楽団、中部フィルハーモニー交響楽団、愛知室内オーケストラがブラームスの交響曲全曲を順番に演奏する「愛知4大
オーケストラ・フェスティヴァル2025《ブラームス交響曲全曲演奏会》」。愛知県の4つのプロ・オーケストラが一堂に会するのはこれが初めてである。チケットは完売。客席とステージが一つとなって熱く盛り上がる特別な公演となった(8月31日・愛知県芸術劇場コンサートホール)。
(中略)
掉尾を飾ったのは名古屋フィルハーモニー交響楽団の「第4番」。川瀬賢太郎に率いられ、しなやかな光沢を放つ弦楽器と安定感のある管打楽器が協和して雄弁な音楽を繰り広げていった。風格ある第1楽章、客席からの思いがけない音に一時乱されながらも次第に深まりを見せた第2楽章、弾力に富んだ第3楽章、泰然とした力強さにあふれるパッサカリアの第4楽章。厚みのある堂々たる演奏だった。
4曲いずれも終わると盛大な拍手とブラヴォーの声が贈られた。聴き手にとっても、奏者や指揮者にとっても力のこもる同フェスティヴァル。次回は来年9月5日に催される。
(小沢優子)
Reviews & Reports Concert Reviews 演奏会批評(8月9日開催〈スペシャル・クワトロⅡ〉)
名古屋フィル首席客演コンサートマスターの荒井英治がショスタコーヴィチの2曲のヴァイオリン協奏曲を演奏するという注目のコンサート。(中略)続いて、1948年に書かれ、スターリン死後の1955年に初演された「協奏曲第1番」。荒井はますます腰を据え、高関の堅固なタクトのもとで圧巻の独奏を繰り広げた。激しても崩れずに秩序を保つ強靭なコントロール力。第3楽章の長大なカデンツァなどで見せた内面の鋭利な掘り下げ。50年前のこの日(8月9日)に亡くなったショスタコーヴィチを記念するにふさわしい迫真の演奏だった。(小沢優子)
別冊付録 観どころ聴きどころ(小泉和裕(指揮)&名古屋フィルハーモニー交響楽団 11/14・15◎愛知)
(前略)8月名古屋フィルはショスタコーヴィチの命日に、高関健(指揮)と荒井英治(vn)でショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲を2曲取り上げるファン垂涎の演奏会を行った。今回は「交響曲第10番」。指揮は小泉和裕だ。小泉はそれぞれの楽曲の構造を描き分けたのちに、形式美を感じさせる呼吸感や歌を吹きこんでいける作品を得意とするが、ショスタコーヴィチの交響曲のなかでも「第10番」は最も小泉にフィットする1曲であろう。中野りな(vn)が弾くチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」もあわせて注目だ。(戸部亮)