日本音楽財団 ストラディヴァリウス・シリーズ 2019年1月

日本音楽財団 ストラディヴァリウス・シリーズ 2019年1月

 公益財団法人 日本音楽財団は、アントニオ・ストラディヴァリやグァルネリ・デル・ジェスによって製作された世界最高峰の弦楽器を保有し、国籍を問わず一流の演奏家や若手有望演奏家に無償で貸与する、弦楽器名器の貸与事業を実施しています。これは、世界的文化遺産である弦楽器名器を保全し、次世代に継承するとともに、それらの活用を図ることを目的としています。また、この貸与事業を通じ、西洋クラシック音楽の発展のための国際的な貢献を目指しています。

 名フィルでは2017-2018シーズンで初の<ストラディヴァリウス・シリーズ>を開催。2018-19シーズンでは、「ロード・ニューランズ」「フォイアマン」「ドラゴネッティ」「エングルマン」の4挺が登場。いずれも世界的に注目度を高めている素晴らしいソリストの演奏で、ストラディヴァリウスの響きをお楽しみください。

アントニオ・ストラディヴァリ
アントニオ・ストラディヴァリ(1644-1737)

ストラディヴァリウスとは

 アントニオ・ストラディヴァリ(1644-1737)が製作した弦楽器を「ストラディヴァリウス」と呼んでいる。これは、彼が楽器の内部のラベルにラテン語でストラディヴァリウスと書いたことからそう呼ばれるようになった。ストラディヴァリは、北イタリアのクレモナの弦楽器製作の第一人者であるニコロ・アマティ(1596-1684)の一番弟子として10代のころからアマティのもとで、ヴァイオリン製作の伝統技術を学んだ後、1680年に独立し彼独自の製作法を確立していった。師であるアマティ没後は、ストラディヴァリの名声はヨーロッパ中に広まった。
 「ストラディヴァリウス」は理想的な音色を備えており、今も昔も、多くの演奏家が一度は手にしたいと憧れる楽器である。また、構造の美しさと精密さで知られており、今も昔も、多くの演奏家が一度は手にしたいと憧れる楽器である。また、構造の美しさと精密さで知られており、特別な音楽ファンでなくとも、その名を聞いたことのない人は今日では極めて希なくらいで、弦楽器銘器といえば、「ストラディヴァリウス」がまず挙げられる。
 「ストラディヴァリウス」が製作された1680年代から1730年代といえば、宮廷や教会での室内楽が主流であったにもかかわらず、現在の2,000人クラスの大規模ホールにおいてもピアニッシモのような繊細な音色がホールの瑞々まで響いて聴こえるのは、素晴らしいことである。
 ストラディヴァリは、90余年でその生涯を終えるまでに約1,100挺の弦楽器を製作したといわれている(文献によって多少違うが、この数字はクレモナ市の資料による)。その後、戦争等で破損された楽器も多く、現存する「ストラディヴァリウス」は、約600〜700挺といわれ、1902年発刊のイギリスのヒル商会の『アントニオ・ストラディヴァリ』によると、ヴァイオリン540挺、ヴィオラ12挺、チェロ50挺の「ストラディヴァリウス」の存在が確認されている。
 300年を超えて楽器愛好家や演奏家によって大切に受け継がれてきた銘器「ストラディヴァリウス」には、それぞれ過去の著名な所有者や著名な演奏家等のニックネームが付けられることが多く、下記のとおり、日本音楽財団が保有するストラディヴァリウス18挺すべてにニックネームが付いている。中には複数のニックネームがついている楽器もある。

「日本音楽財団保有のストラディヴァリウスのニックネーム一覧」
所有者名 演奏家名 その他
ドラゴネッティ パガニーニ ドルフィン
ロード・ニューランズ フォイアマン ジュピター
ハギンス ヨアヒム  
エングルマン ウィルヘルミ  
カンポセリーチェ    
ブース    
サセルノ    
ムンツ    
ロード・アイレスフォード    

ストラディヴァリと
ストラディヴァリウス物語

奥田佳道(音楽評論家)

 そもそも、銘器の名はStradivariストラディヴァリなのか。Stradivariusストラディヴァリウスなのか。英語圏ではStradストラドという表記も多い。イギリスの音楽誌にThe Stradがありますよね。
 事情通の間では、しばしばストラディヴァリが人名、つまり楽器製作者。ストラディヴァリウスが銘器の総称と言われる。
 何となく(ほぼ!?)定着しているようだが、実はこれ、美しき「誤解」である。イタリア語の発音に則しているかどうは別として、楽器を作ったのは17世紀から18世紀にかけてイタリアはロンバルディア州クレモナで活躍したアントニオ・ストラディヴァリ。1644年生れ、1737年没とされる。
 そのファミリーネームであるストラディヴァリをラテン語化したのがストラディヴァリウスで、実は同じ「意味」。イタリア語かラテン語かの違いだけである。
 ただストラディヴァリが、手がけた楽器の内部にラテン語でラヴェル(シールですね)を貼ったのは史実。製作者と生産地をきちんと記すように、という18世紀前半の法令・書式に基づき「アントニウス・ストラディヴァリウス・クレモネンシス」とある。
 ちなみに、神に愛された者と訳すことも出来るモーツァルトのミドルネーム、Amadeusアマデウスもラテン語である。ただしモーツァルトのサインはAmadeアマデ(またはAmadeeアマデー)だ。アマデウスは、アマデにusという接尾辞が付き、ラテン語化いわば聖人化した尊称で、モーツァルトが天に召されてから広まったものである。

ストラディヴァリは親子で活躍

アントニオ・ストラディヴァリには、ふたりの優秀な息子がいた。フランチェスコとオボモノ。アントニオは生涯に1000挺のストラディヴァリウスを製作したと言われるが、親子共同製作の楽器もそれなりの数、あるだろう。いい話である。

ストラディヴァリに師匠は?

 いる。イタリアン・オールド・ヴァイオリンの始祖ニコロ・アマティ(1596~1684)である。いま始祖と記したが、実はニコロが3代目。16世紀初頭に生れたアンドレア・アマティがほんとうの始祖だ。
 いずれにせよ、聖なる大河ポー川も近いイタリア北部の古都クレモナ(ミラノの南東80キロ)に名工「アマティ家」があったからこそ、優れたヴァイオリンが製作され、ニコロの卓越した技とセンスがアントニオ・ストラディヴァリ受け継がれたことを忘れてはいけない。
 ストラディヴァリは素晴らしい。しかし彼を育てたアマティも傑出していたのだ。

モーツァルトのクラヴィア演奏に導かれ、ストラディヴァリウスを弾いたイタリアのヴァイオリニストがいた!?

 モーツァルトの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ(第40番)変ロ長調K.454」は、イタリアからウィーンにやってきたヴァイオリニスト、レジーナ・ストリナザッキに捧げられている。
1784年、皇帝ヨーゼフ2世も臨席したケルントナートーア宮廷劇場で、モーツァルトとストリナザッキ嬢はこのソナタを弾いている。
彼女がどうもストラディヴァリウスを弾いたようなのだ。ストリナザッキは後年ドイツの宮廷で活躍するのだが、それはまた別の機会に。

ストリナザッキから近現代へ

 巡り巡って、モーツァルトゆかり、ストリナザッキが弾いた(可能性が高い)ストラディヴァリウスが、今も活躍している名ヴァイオリニストにして名教授のミリアム・フリード(1946~)に渡った。ルーマニア系イスラエルのヴァイオリニストだ。
 フリードは、フバイ門下のロラン・フェニヴス、さらに近代奏法の匠ジョゼフ・ギンゴールド、イヴァン・ガラミアンに学び、1968年のパガニーニ、1971年のエリザベート王妃国際コンクールに優勝。日本での知名度はともかく、ソリストとして大活躍、多くの生徒を育てた。内田光子とともにマールボロ音楽祭の芸術監督を務めるピアニスト、ジョナサン・ビス(1980~)のママでもある。
 彼女にインタヴューしたことがある。
 「1718年製のストラディヴァリウスを弾いています。モーツァルトと共演したストリナザッキが弾き、その後彼女とともにドイツに渡った楽器です。
 この楽器は19世紀にルイ・シュポア(1784~1859)も弾いていました。ベートーヴェンが触った可能性だってあります笑」。
 これも愛すべきストラディヴァリウス物語である。

作曲家、歴史的ヴァイオリニストとストラディヴァリウス 1

 最近オーケストラのステージでは全くといっていいほど演奏されなくなったヴィオッティ(1755~1824)のヴァイオリン協奏曲イ短調。ヴァイオリンを学ぶ子供だけが弾く曲になってしまったのかな。主にパリで活躍したヴィオッティは、彼の時代に注目度が上がり始めたストラディヴァリウスのコレクターだった。手放した数も多かったようだけれど。
 もう一人。パリとウィーンで弾き、初演した訳ではないのにベートーヴェンの「ソナタ」名になっているロドルフ・クロイツェル(1766~1831)も、文献によれば4挺持っていた。
 クロイツェル以上にベートーヴェンの音楽に関与し、ハイドンとの交友も喜ばしいコントラバスの歴史的大家ドメニコ・ドラゴネッティ(1763~1846)も、ストラディヴァリウスのコレクターだった。1813年、ウィーン大学旧講堂で行なわれたベートーヴェンの交響曲第7番公開初演で、首席コントラバス奏者を務めたドラゴネッティ! 銘器の愛称にもなっている。

作曲家、歴史的ヴァイオリニストとストラディヴァリウス 2

 先に紹介したヴィオッティのヴァイオリン協奏曲イ短調は、ブラームスの盟友だったハンガリー出身のヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒム(1831~1907)の愛奏曲だった。ピアノ版で弾く時、ピアノはブラームスのことが多かった。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲やヴァイオリンとチェロのための協奏曲イ短調!の初演者にして、ブルッフの協奏曲第1番現行版の初演者でもあるヨアヒムは、ストラディヴァリウスのコレクターだった。1715年製の銘器を5挺、手元に置いていたという。
 しかしその前に名前を挙げないといけない偉人がいる。

パガニーニとストラディヴァリウス

 悪魔に魂を売ったというファウスト顔負けのキャッチコピーでも名高いニコロ・パガニーニ(1782~1840)こそ、ストラディヴァリウス物語の最初の主役だ。
 時代の寵児でエピソードにも事欠かないイタリアの伝説的ヴァイオリニスト、パガニーニは、母国の銘器収集に熱心だった。通称グァルネリ・デル・ジェス(神イエスの手をもったグァルネリの意 1698~1744)のヴァイオリンをこよなく愛し、ストラディヴァリウスにも目を細めたようである。
 1840年に亡くなった際、(悪魔ということで)埋葬を拒否されたというエピソードもマニアックに語りたいところだが、寄り道している時間はない。
パガニーニは都合11挺のストラディヴァリウスを所有していたと伝えられる。パリやニースのパガニーニ邸には、ストラディヴァリウスのヴァイオリンとヴィオラが、それこそごろごろ横たわっていたらしい。
 ストラディヴァリウスのヴィオラも自慢気に所有していたパガニーニが、友人のベルリオーズを訪ね、その結果ヴィオラをソリストとしたベルリオーズの「イタリアのハロルド」が作曲された──という(かつて普通にあった)解説は、今は通用しない。
 けれども、パガニーニがストラディヴァリウスをいくつも手元に置き、ベルリオーズと交友したことは確かである。
 なおベルリオーズは1839年に初演し、後に改訂した劇的交響曲「ロメオとジュリエット」を恩人! のパガニーニに献呈している。しかしパガニーニがその楽譜を目にすることは終になかった。

 逸話の絶えないパガニーニのもとには、偶然かも知れないが、弦楽四重奏に適したストラディヴァリウスがあった。1727年製と1680年製のヴァイオリン、1731年製のヴィオラ、1736年製のチェロ。これらの楽器は一時、行方不明にもなったし、別々に弾かれたことも多かったようなのだが、紆余曲折の末、アメリカの富豪夫人の手を経てワシントンDCのコーコラン美術館に「パガニーニ・セット」として寄贈され、1969年から四半世紀近くクリーヴランド・クァルテットの楽器となる。
 1994年、米コーコラン美術館の「パガニーニ・セット」を日本音楽財団が購入。パガニーニゆかりの4挺の弦楽器は、2013年6月まで活動した東京クァルテットの「伴侶」となる。
音楽史をも彩った「パガニーニ・クァルテット」は、昨年夏までオーストリアが育んだ世界最高峰のハーゲン・クァルテットに、その後はクレモナ・クァルテットに委ねられた。

19世紀のヴァイオリニストとストラディヴァリウス エピローグ

 サン゠サーンスやラロと親しく、ブルッフやドヴォルザークの作品に関わり、ブラームスやチャイコフスキーにも何らかの影響を与えたパブロ・サラサーテ(1844~1908)もストラディヴァリウスを愛でた。

 前述のヨーゼフ・ヨアヒムに戻せば、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲やバッハの無伴奏曲を「甦らせた」功労者でもある。クララ・シューマン、ブラームスとともに多くの作品に関わった。ハンガリー舞曲の編曲や協奏曲のカデンツァ作曲でも歴史に名を刻む。
そのヨアヒムは当然のようにストラディヴァリウスを弾いていた。のべ18挺所有していたとか。1715年製のストラディヴァリウス「ヨアヒム」に「シャコンヌ」が有名だ。後者はオーストリア国立銀行が所有し、アマデウス・クァルテットのブレイニンが弾いた後、ウィーン・フィルの歴代コンサートマスターに貸与されている。
 ドイツでは、バッハの管弦楽組曲のエアを「G線上のアリア」に編曲したことでも名高いアウグスト・ヴィルヘルミ(1845~1908)も有数のストラディヴァリウス・コレクターだった。ワーグナー芸術の殿堂バイロイト音楽祭のオーケストラでコンサートマスターを務め、ワーグナーの楽劇の調べをヴァイオリンに編曲したヴィルヘルミ。1722年製の「シャポネー」、1725年製の「ヴィルヘルミ」!から、妖しい響きを紡いだことだろう。

 ストラディヴァリウスや「ライヴァル」のグァルネリ・デル・ジェスに魅了され、素晴らしい音色を奏でたヴァイオリニストは、ほんとうに枚挙に暇がない。ヤッシャ・ハイフェッツ、アルテュール・グリュミオー、アイザック・スターン、ピンカス・ズーカーマン、それにウート・ウーギ。1960年代以降生れではアンネ=ゾフィー・ムターにフランク・ペーター・ツィンマーマン、イザベル・ファウスト。他にもたくさんいる。
 今をときめく才媛、俊英と銘器の出逢いも私たちの喜びだ。日本音楽財団のコレクション、名古屋フィルを仲立ちとした交歓が近い。

Stradivarius 1720 Violin “Lord Newlands”
ストラディヴァリウス
1702年製ヴァイオリン
「ロード・ニューランズ」
Stradivarius 1720 Violin “Lord Newlands”
 イギリスのニューランズ卿(1890〜1929)によって生涯大切にされていたため、現在この名前で呼ばれている。1964年から1982年にこの楽器を保管していたロンドンのヒル商会が、1973年にバースの古楽器名器展にて、当時のヒル商会を代表する楽器としてこのヴァイオリンを展示していた。楽器の保存状態が優れているだけでなく、その音質の良さでも知られており、以前このヴァイオリンを演奏したアイザック・スターン(1920〜2001)は、自身が所有しているグァルネリ・デル・ジェスと同じパワーを感じると語ったという。
Photo: S. Yokoyama

キム・スーヤン(ヴァイオリン)

Suyoen KIM, Violin

キム・スーヤン(ヴァイオリン)
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♪カミーユ・サン=サーンス:
序奏とロンド・カプリチオーソより
(ピアノ:占部由美子)

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 1987年ドイツ、ミュンスター生まれ。ミュンヘン音楽大学でアナ・チュマチェンコのもと2010年に修士課程修了。クロンベルク・アカデミーにおいて更なる研鑽を積んだ。2003年レオポルト・モーツァルト国際コンクール優勝、併せて聴衆賞と現代音楽の解釈における最優秀賞を受賞。2006年にはハノーファー・ヨーゼフ・ヨアヒム国際ヴァイオリン・コンクールにおいて優勝。室内楽にも力を入れており、マルタ・アルゲリッチ、ユーリ・バシュメット、チョン・ミョンフン等と共演している。
2016年3月にはベートーヴェンの協奏曲とヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス2曲を収録したCDがドイツ・グラモフォンよりリリースされた。

Stradivarius 1730 Cello “Feuermann”
ストラディヴァリウス
1730年製チェロ「フォイアマン」
Stradivarius 1730 Cello “Feuermann”
 アントニオ・ストラディヴァリが製作したうち、現存するチェロは、約50挺といわれている。「フォイアマン」は普通のチェロと比べ、楽器本体の部分が細長い点が特徴である。世界的に著名なチェロ奏者、エマヌエル・フォイアマン(1902~1942)が1934年から長年にわたり使用したことから、この名前で呼ばれている。エマヌエル・フォイアマンは、齋藤秀雄の師として日本でもよく知られている。
Photo: S. Yokoyama

石坂団十郎(チェロ)

Danjulo ISHIZAKA, Cello

石坂団十郎(チェロ)
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♪ベートーヴェン: チェロ・ソナタ
第2番ト短調 作品5-2 第3楽章より
(ピアノ:マルクス・シルマー)

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 ドイツで日本人の父とドイツ人の母の下に生まれる。ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学でボリス・ペルガメンシコフに師事。1998年ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール、2001年ミュンヘン国際音楽コンクール・チェロ部門で優勝し、2002年には第1回エマヌエル・フォイアマン・コンクールでグランプリを獲得。2003年、クシシュトフ・ペンデレツキ指揮ウィーン響との共演をきっかけに数々の著名な指揮者やオーケストラと共演。2014年にはパヴェル・ハース四重奏団と共演したCDが英グラモフォン室内楽部門を受賞。2012年12月には、彼の目覚ましい活躍とクラシック音楽界への貢献が顕彰され、齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞した。現在バーゼル音楽院とベルリン芸術大学にて教鞭をとっている。

Stradivarius 1700 Violin “Dragonetti”
ストラディヴァリウス
1700年製ヴァイオリン
「ドラゴネッティ」
Stradivarius 1700 Violin “Dragonetti”
 このヴァイオリンはネックの部分までも製作当時のものが使用されているとても貴重な楽器である。著名なコントラバス奏者ドメニコ・ドラゴネッティ(1763~1846)によって大切に所有されていたことから現在この名前で呼ばれている。日本音楽財団の購入直前には、世界的に名の知られているヴァイオリン奏者、フランク・ペーター・ツィンマーマン(1965~)によって演奏されていた。
Photo: S. Yokoyama

ヴェロニカ・エーベルレ(ヴァイオリン)

Veronika EBERLE, Violin

ヴェロニカ・エーベルレ(ヴァイオリン)
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♪ブラームス: ヴァイオリン・ソナタ
第3番ニ短調 作品108 第1楽章より
(ピアノ:占部由美子)

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 1988年ドイツ南部のドナウヴェルト生まれ。2001年からミュンヘン音楽大学にてアナ・チュマチェンコに師事。16歳でサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲で共演し、世界の注目を浴びた。数々の一流オーケストラや、サイモン・ラトル、ダニエル・ハーディング、ヤニック・ネゼ=セガン等著名な指揮者と共演している。室内楽奏者としても活躍の場を広げており、ルツェルン音楽祭やザルツブルク音楽祭にも出演した。2015年には、ザルツブルクの「モーツァルト週間」で内田光子と共演。英国BBC Radio 3の権威ある新進音楽家育成プログラムのアーティストに選ばれている。

Stradivarius 1709 Violin “Engleman”
ストラディヴァリウス
1709年製ヴァイオリン
「エングルマン」
Stradivarius 1709 Violin “Engleman”
 このヴァイオリンは、アメリカ海軍士官ヤング中佐が第二次世界大戦中に戦死するまで、約150年間ヤング家に大切に保管されていたため、保存状態が優れている。当財団が保有する以前は、アメリカのアマチュア・ヴァイオリン奏者で収集家のエフレイム・エングルマンが所有していたため、現在はこの名前で親しまれている。
Photo: S. Yokoyama

ベンジャミン・ベイルマン(ヴァイオリン)

Benjamin BEILMAN, Violin

ヴェロニカ・エーベルレ(ヴァイオリン)
本人音源を再生

♪シューベルト: 華麗なるロンド
ロ短調 D.895より
(ピアノ:林絵里)

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 1989年生まれ。シカゴ音楽院を経て、カーティス音楽院にてイダ・カヴァフィアンとパメラ・フランクに師事。クロンベルク・アカデミーにてクリスティアン・テツラフの下、さらなる研鑽を積む。2010年モントリオール国際音楽コンクール、同年アメリカのヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディションでの優勝を機に、数々の著名なオーケストラと共演するなど、ソリストとして国際的なキャリアをスタートさせる。これまでに、ネヴィル・マリナーやヤニック・ネゼ=セガンなど著名な指揮者をはじめ、数々の一流オーケストラと共演している。2016年3月には、ワーナークラシックスよりファーストアルバム「スペクトラム」を発売した。

ストラディヴァリウス・シリーズ
2019年度 公演詳細

シリーズⅣ “ロード・ニューランズ”&“フォイアマン”

第65回市民会館名曲シリーズ 〈ベートーヴェン・ツィクルスⅩ〉
The 65th Famous Works Series 〈Beethoven Zyklus Ⅹ〉
2019年1月10日(木)6:45pm
日本特殊陶業市民会館フォレストホール
NTK Hall Forest Hall

  • 小泉和裕(指揮/名フィル音楽監督)
    Kazuhiro KOIZUMI, Conductor / Music Director
  • キム・スーヤン(ヴァイオリン)*
    Suyoen KIM, Violin
  • 石坂団十郎(チェロ)*
    Danjulo ISHIZAKA, Cello
  • 田村響(ピアノ)*
    Hibiki TAMURA, Piano
  • ベートーヴェン: ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲ハ長調 作品56*
    L.v.Beethoven Triple Concerto for Piano, Violin and Cello in C major, Op.56
  • ベートーヴェン: 交響曲第5番ハ短調 作品67『運命』
    L.v.Beethoven Symphony No.5 in C minor, Op.67

シリーズⅣ “ロード・ニューランズ”&“フォイアマン”

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小泉和裕
Photo: Takayuki Imai
キム・スーヤン
石坂団十郎
田村響
Photo: 武藤章

 ツィクルス最終回は、音楽監督が指揮する「トリプル」と『運命』! 日本音楽財団からストラディヴァリウスの名器を貸与されている2人の弦楽奏者と、名フィルとたびたび共演している地元出身のピアニスト。若き大家3人が集結し、2季10回におよんだツィクルスの掉尾を飾ります!

シリーズⅤ “ドラゴネッティ”

第465回定期演奏会 〈レム『ソラリス』〉
The 465th Subscription Concert
2019年2月22日(金)6:45pm/23日(土)4:00pm
愛知県芸術劇場コンサートホール
Aichi Prefectural Arts Theater, the Concert Hall

  • アントニ・ヴィット(指揮)
    Antoni WIT, Conductor
  • ヴェロニカ・エーベルレ(ヴァイオリン)*
    Veronika EBERLE, Violin
  • 藤倉大: 『ソラリス』組曲[日本初演]
    D.Fujikura ”Solaris” Suite [Japan Premiere]
  • ドヴォルザーク: ヴァイオリン協奏曲イ短調 作品53*
    A.Dvořák Violin Concerto in A minor, Op.53
  • チャイコフスキー: 交響曲第5番ホ短調 作品64
    P.Tchaikovsky Symphony No.5 in E minor, Op.64

シリーズⅤ “ドラゴネッティ”

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アントニ・ヴィット
Photo: J.Multarzynski
ヴェロニカ・エーベルレ

 巨匠、再び!ドヴォルザークとチャイコフスキーの名曲に加え、ポーランドのSF作家レムの代表作『ソラリス』が原作の藤倉大のオペラの管弦楽用組曲を選択。世界中で引く手数多のドイツの名花が、日本音楽財団から貸与されているストラディヴァリウスと共に登場。

シリーズⅥ “エングルマン”

平日午後のオーケストラVol.3
Weekday Afternoon Orchestra Vol.3
2019年3月13日(水)2:00pm
日本特殊陶業市民会館フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)
NTK Hall Forest Hall

  • 円光寺雅彦(指揮/名フィル正指揮者)
    Masahiko ENKOJI, Resident Conductor
  • ベンジャミン・ベイルマン(ヴァイオリン)*
    Benjamin BEILMAN, Violin
  • シベリウス: 交響詩『フィンランディア』作品26
    J.Sibelius Finlandia, Op. 26
  • シベリウス: ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47*
    J.Sibelius Violin Concerto in D minor, Op.47
  • チャイコフスキー: 交響曲第6番ロ短調 作品74『悲愴』
    P.Tchaikovsky Symphony No.6 in B minor, Op.74 “Pathetique”

シリーズⅥ “エングルマン”

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円光寺雅彦
Photo: Koichi Miura
ベンジャミン・ベイルマン

 正指揮者=円光寺雅彦の指揮でお贈りするVol.3は、寒さの厳しいフィンランドとロシアで生まれた名曲をラインナップ。「シベコン」を弾くのは2010年のモントリオール国際コンクールを制した俊英ベイルマン。チャイコフスキーの最高傑作『悲愴』と併せ、贅沢な午後のひとときとなりそうです。

会場アクセス

愛知県芸術劇場コンサートホール
〒461-8525 愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知県芸術文化センター4F
  • 地下鉄東山線・名城線「栄」駅東改札口より徒歩3分
  • 名鉄瀬戸線「栄町」駅改札口より徒歩2分

(ともにオアシス21から地下連絡通路または2F連絡橋経由)

日本特殊陶業市民会館フォレストホール
〒460-0022 名古屋市中区金山1-5-1
  • 地下鉄名城線「金山」駅北改札口から地下連絡通路にて徒歩1分
  • JR中央本線・東海道本線、名鉄本線「金山」駅北口より徒歩5分

過去の開催公演

<2018-19シーズン>

シリーズⅠ “ヨアヒム”

豊田市コンサートホール・シリーズ Vol.5
Toyota City Concert Hall Series Vol.5
2018年2月3日(土)4:00pm
豊田市コンサートホール
Toyota City Concert Hall

  • 小泉和裕(指揮/名フィル音楽監督)
    Kazuhiro KOIZUMI, Conductor / Music Director
  • 豊田市ジュニアオーケストラ*(共演)
    Toyota City Junior Orchestra
  • レイ・チェン**(ヴァイオリン)
    Ray CHEN, Violin
  • 【サイド・バイ・サイド】ワーグナー:楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕前奏曲*
    【Side by side】R. Wagner Prelude to “Die Meistersinger von Nürnberg”
  • ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26**
    M.Bruch Violin Concerto No.1 in G minor, Op.26
  • ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68
    J.Brahms Symphony No.1 in C minor, Op.68
小泉和裕
レイ・チェン
Photo: Tom Doms

 豊田市の名ホール舞台にお贈りする本シリーズ、ついに名フィル音楽監督・小泉和裕が豊田市コンサートホールに登場!名曲「ブラ1」に加え、日本音楽財団から貸与されているストラディヴァリウス「ヨアヒム」で奏でる俊英レイ・チェンのブルッフは必聴!

共催:公益財団法人豊田市文化振興財団 豊田市・豊田市教育委員会

シリーズⅡ “ハギンス”

第60回市民会館名曲シリーズ〈ベートーヴェン・ツィクルスⅤ〉
The 60th Famous Works Series / Beethoven Zyklus Ⅴ
2018年2月8日(木)6:45pm
日本特殊陶業市民会館フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)
NTK Hall Forest Hall

  • 川瀬賢太郎(指揮/名フィル指揮者)
    Kentaro KAWASE, Conductor
  • イム・ジヨン*(ヴァイオリン)
    Ji Young LIM, Violin
  • ベートーヴェン:ウェリントンの勝利(戦争交響曲) 作品91
    L.v.Beethoven Wellingtons Sieg (Battle Symphony), Op.91
  • ベートーヴェン:ロマンス第1番ト長調 作品40*
    L.v.Beethoven Romance No.1 in G major, Op.40
  • ベートーヴェン:ロマンス第2番ヘ長調 作品50*
    L.v.Beethoven Romance No.2 in F major, Op.50
  • ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調 作品60
    L.v.Beethoven Symphony No.4 in B flat major, Op.60

『サラサーテ』79号より
『サラサーテ』79号より
川瀬賢太郎
Photo: Yoshinori Kurosawa
イム・ジヨン
Photo: Rami Hyun

 名フィル指揮者 川瀬賢太郎が登場。「ウェリントンの勝利」は実演ではほとんど聴くことのできない珍曲。「ロマンス」では、エリザベート・コンクール優勝で世界の注目を集め、日本音楽財団からストラディヴァリウス「ハギンス」を貸与されている韓国の新鋭と初共演。

シリーズⅢ “サセルノ”

第454回定期演奏会〈シドニーⅡ/1万ドルのシンフォニー〉
The 454th Subscription Concert
2018年2月16日(金)6:45pm/17日(土)4:00pm
日本特殊陶業市民会館フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)
NTK Hall Forest Hall

  • 広上淳一(指揮)
    Jyunichi HIROKAMI, Conductor
  • アリーナ・ポゴストキーナ*(ヴァイオリン)
    Alina POGOSTKINA, Violin
  • クーネ:エレヴェーター・ミュージック[日本初演]
    G.Koehne Elevator Music [Japan Premiere]
  • シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47*
    J.Sibelius Violin Concerto in D minor, Op.47
  • アッテルベリ:交響曲第6番ハ長調 作品31『ドル・シンフォニー』
    K.Atterberg Symphony No.6 in C major, Op.31 “Dollar Symphony”
姉妹都市:名古屋・シドニー
広上淳一
アリーナ・ポゴストキーナ
Photo: Nikolaj Lund

 京響名古屋公演も人気の広上淳一が、5季ぶりに名フィル定期に登場!楽しすぎるシドニー響委嘱作と、日本音楽財団からストラディヴァリウス「サセルノ」を貸与されている名手とのシベリウス、コンクール優勝で1万ドルの賞金を獲得した交響曲の3曲を指揮。

共催:名古屋市

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