ティエリー・フィッシャー

ティエリー・フィッシャー

名誉客演指揮者

2006-12BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団の首席指揮者、2008-11年名古屋フィルハーモニー交響楽団の常任指揮者(現名誉客演指揮者)を務め、現在はユタ交響楽団の音楽監督、ソウル・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者の任にある。ユタ交響楽団では活き活きしたリーダーシップでアメリカの古豪オーケストラを復活させ、新たに契約を更新、10年にわたってこのオーケストラを率いることになった。客演指揮者としても多忙を極め、201410月にはボストン交響楽団にデビュー。ほかにも最近では、オスロ・フィル、ベルゲン・フィル、スイス・ロマンド管弦楽団、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団、アトランタ交響楽団、デトロイト交響楽団、BBC交響楽団、ロッテルダム・フィル、ハーグ・フィルを指揮するほか、アスペン音楽祭とBBCプロムスにも出演。

タッチの軽さとテクスチュアの明瞭さが優れた特徴であり、それが彼の独自な解釈をもたらしている。鋭い様式感を持ち、時には古楽器を用いることもある。現代音楽においても、真の熱狂をもたらすことができ、BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団での任期中には、ジャレル、アンドリーセン、ブーレーズ、ホリガー、リーム、ヴィトマン、ホルトをコンポーザー・イン・レジデンスに起用した。名フィルでは藤倉大と斉木由美に新作を委嘱し、ユタ交響楽団においても新作委嘱を積極的に推し進め、2012年にジャン=ギアン・ケラスの独奏で初演したジャレルのチェロ協奏曲は、2014年にスイス・ロマンド管弦楽団でも再演した。ユタ交響楽団では、若く優秀な楽員の入団をうながし、第一級のソリストを招聘し、大幅に観客動員数を高めて地域のサポートの強化をもたらした。

ハイペリオン・レーベルを中心にレコーディングも多く、マルタンの歌劇『嵐』(オランダ放送フィル、同合唱団)は、2012年にインターナショナル・クラシック・ミュージック・アワード(ICMA)のオペラ部門を受賞した。2014年には、ルイ・シュヴィッツゲーベルの独奏で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲集をロンドン・フィルと録音(アパルテ)。

音楽家としてのキャリアを、ハンブルク州立歌劇場およびチューリヒ歌劇場の首席フルート奏者としてスタート。30代で、体調不良の指揮者の代役として指揮の活動を始め、最初のいくつかのコンサートでは、自身がクラウディオ・アバドのもとで首席フルート奏者を務めていたヨーロッパ室内管弦楽団を指揮。オランダで経験を積んだ後、2001-06年にはアルスター管弦楽団の首席指揮者兼芸術アドバイザーを務めた。

2020年3月より、サンパウロ交響楽団の音楽監督に就任予定。

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