小森 輝彦

小森 輝彦

バリトン

ドイツのアルテンブルク・ゲラ市立劇場専属第1バリトンとして活躍の実力派

 

東京都出身。東京芸術大学、同大学院、文化庁オペラ研修所を経て文化庁派遣芸術家在外研修員としてベルリン芸術大学に学ぶ。第2回藤沢オペラコンクール第2位。平成12年度五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。

 

1999年プラハ国立劇場『椿姫』ジェルモンでヨーロッパ・デビュー。2001年以降ドイツのテアター&フィルハーモニー・テューリンゲン(ゲラ・アルテンブルク市立劇場)専属第1バリトンとして活躍を続けており、テアター・オスカーを4年連続受賞。同歌劇場では2001年『リゴレット』でデビュー後、『ドン・ジョヴァンニ』『さまよえるオランダ人』『ナブッコ』などのタイトル・ロールを中心にいずれも高い評価を得ている。2007年末ハーゲン市立歌劇場『トスカ』スカルピア役に急遽招聘され大成功を収めるなど活躍の場を広げている。

 

また『ローエングリン』テルラムント、『ヴォツェク』タイトル・ロール、『オテロ』ヤーゴ、ユダヤ人作曲家ヴァインベルガーのオペラ『ヴァレンシュタイン』(ドイツ初演)タイトル・ロールなどに出演し国際的な評価を得ている。

 

国内では二期会『こうもり』ファルケ、同『フィレンツェの悲劇』シモーネ、同・新国立劇場『サロメ』ヨハナーン。新国立劇場『ナクソス島のアリアドネ』音楽教師、同『アラベッラ』マンドリカなど。2008年2月、東京二期会『ワルキューレ』ヴォータンに出演。言葉の意味をしっかりと咀嚼した的確な演唱で、今後もワーグナー歌手としての活躍が期待される。

 

2009年2月、東京二期会『椿姫』(宮本亜門新演出)ジェルモンに出演し、貫禄ある歌唱と演技で絶賛された。2009年8月、ヨーロッパの各地で活動を続けている細川俊夫作曲『班女』(三島由紀夫「近代能楽集~班女」ドナルド・キーン英語訳を基にしたニュー・プロダクション)日本初演に出演。サントリーホール(ブルーローズ)3公演とミラノ音楽祭ではトリノとミラノ公演など活躍を続けている。2010年7月、東京二期会『ファウストの劫罰』メフィストフェレスで出演し好評を博す。2011年7月には、兵庫芸術文化センター/佐渡裕プロデュース『こうもり』アイゼンシュタインにも出演し好評を博している。ドイツ・リートや宗教曲のレパートリーも数多く、本場ドイツでのドイツ・リートで高い評価を受けているが、2005年からは東京で毎年、ピアニスト服部容子とのデュオ・リサイタル・シリーズを展開し、テーマを定めたプログラミング、俳優の山本耕史を朗読に迎えてのブラームス歌曲集『美しきマゲローネ』全曲など、新しい分野とのコラボレーションの可能性を広げるなど、精力的に活動を続けている。

 

2006年夏にはザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場におけるヘンツェの『午後の曳航』(ゲルト・アルブレヒト指揮/イタリアRAI国立管弦楽団)に首領の役で出演し、批評で「素晴らしい日本の歌手たちの中でもギャングの小森輝彦がその圧倒的な存在感で際立っていた」などと絶賛された。

 

2010年3月、ドイツ、フランスのテレビ局「ARTE」でゲラ劇場が世界初演したメンデルゾーンのオペラ『兵士たちの恋』(Soldatenliebschaften)に出演した小森の様子がドキュメンタリーでとりあげられ好評を博した。また特筆すべきは、2011年4月、ドイツ・アルテンブルク市立劇場創立140周年記念ガラ・コンサートにおいて、劇場総裁より小森の功績を称え、ドイツ宮廷歌手(Kammersänger)の称号を授与された。この劇場では戦後2人目、日本人としては初めての快挙。充実期を迎えた演奏は内外で高い評価を得ている。充実期を迎えた演奏は内外で高い評価を得ている。二期会会員。

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