コリン・カリー

コリン・カリー

打楽器

Photo: Marco Borggreve

“筋骨たくましいパーカッショニズム、強く意欲的なショーマンシップ、そして深い音楽性”(英ガーディアン紙より)で知られるコリン・カリーは、打楽器の独奏者、そして室内楽アーティストとして、その頂点にある。新しい音楽創作を高いレベルで支えており、多くの主要な現代作曲家たちに選ばれ、ソリストとして世界をリードするオーケストラや指揮者たちと共演を重ねている。

 

カリーはそのキャリアの早い時期から、打楽器のための新作を創造するパイオニアとしての道を切り開いてきた。現代音楽への高い貢献が評価され、2000年にはロイヤル・フィルハーモニック協会ヤング・アーティスト賞を、2005年にはボルレッティ=ブイトーニ・トラスト賞を受賞している。これまでにカリーは、エリオット・カーター、デイヴ・マリック、ジュリア・ウルフ、ニコ・マーリーといった作曲家たちの新作を初演している。最近ではカーターの新作《ピアノと打楽器のための二重協奏曲》(ニューヨーク・フィルハーモニック、オールドバラ音楽祭、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団の共同委嘱)をピエール=ロラン・エマールと初演する栄光を受けている。今後もスティーヴ・ライヒ、ジェイムズ・マクミラン、ルイ・アンドリーセン、アンドリュー・ノーマン、アンナ・クラインらの新作委嘱作品を演奏予定。

 

カリーはロンドンのサウスバンク・センターのアーティスト・イン・レジデンスを務めており、そこでは参加型・教育的プロジェクトなどを含めた、様々な芸術形式を通したアーディストやアンサンブルとの関係を構築、発展させている。2013年秋には、シュトックハウゼンとライヒによる未来への種まきを意図したプログラムを、同センターの「The Rest is Noise」というフェスティヴァルの一環で取り上げている。2014年秋のフェスティヴァル「Metal, Wood, Skin」では、重要な多くの初演作品を取り上げることになっている。

 

2013-14シーズンは、レインベルト・デ・レーウ指揮/ASKO|シェーンベルクとアンドリーセン《タップダンス》の世界初演をアムステルダム・コンセルトヘボウで行なうほか、クリーヴランド管弦楽団、サンパウロ交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団にデビューを果たし、ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団、BBCスコティッシュ交響楽団、スコットランド室内管弦楽団、BBCフィルハーモニック、ライプツィヒMDR交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、ヒューストン交響楽団、トロント交響楽団、ユタ交響楽団、シンシナティ交響楽団などに再登場予定。2014年4月、新しい大胆なソロ・リサイタル・プログラムをウィグモア・ホールでスタートさせる。そこではロルフ・ウォリンの新作マリンバ独奏曲(ウィグモア・ホール、ベルゲン音楽祭、アバディーン音楽祭の共同委嘱)の世界初演を行なう予定。

 

カリーが組織するダイナミックな打楽器アンサンブル「コリン・カリー・グループ」は、ライヒの特徴的な作品《ドラミング》の演奏で高い評価を受け続けている。2012年に東京オペラシティで、2013年にはアムステルダム・コンセルトヘボウで演奏会を行ない、国際的にも成功を続けている。今後はレパートリーを拡大し、ライヒ《18人の音楽家たちのための音楽》をロイヤル・フェスティヴァル・ホールで演奏する。カリーはリサイタルや室内楽で、ニコラス・ホッジズ、ホーカン・ハーデンベルガー、パヴェル・ハース・クァルテットといった多くの著名アーティストたちと共演している。

 

カリーは多くの協奏曲や独奏曲、室内楽作品をレコーディングしている。2013年9月にはアレクサンダー・ゲール《Since Brass, nor Stone》をNMCからリリース。ジョン・ストルゴーズ指揮/ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団と録音したラウタヴァーラ《呪文》は、オンディーヌからリリースされるとすぐに絶賛され、2012年のグラモフォン賞を受賞した。マクミラン《ヴェニ、ヴェニ、エマニュエル》(作曲者自身の指揮/オランダ放送室内フィルハーモニック)はチャレンジ・クラシックスからリリース。ジェニファー・ヒグドン《パーカッション協奏曲》(マリン・オールソップ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)は、2010年のグラミー賞を受賞。デイヴ・マリック作品を取り上げたリサイタル・ディスク《ボロウド・タイム》はオニクスからリリースされている。

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