スティーヴン・ハフ

スティーヴン・ハフ

ピアノ

Photo: Andrew Crowley

スティーヴン・ハフは、コンサート・ピアニストとしての顕著な活動に加え、作曲家、著述家としても活躍するなど、同世代のアーティストの中でも特色あるキャリアを築いている。英『エコノミスト』紙の「20人の現代の博学者」に選ばれ、クラシックの演奏家として初めて“天才賞”ことマッカーサー・フェロー賞を受賞し、2014年の新年の受勲では大英帝国勲章CBEを受章している。

 

イングランド北西部に生まれ、1983年のナウムブルク・コンクールで第1位を受賞し、ピアニストとして活動を始めている。これまでに数多くの世界的オーケストラと共演し、名高いコンサートホールでリサイタルを行ない、世界的な音楽祭に出演している。2010年にはロイヤル・フィルハーモニック協会器楽演奏家賞を受賞。2013-14シーズンには、BBCフィルとブラームス、リスト、シューマンの協奏曲を演奏するほか、ロイヤル・フィル、フィラデルフィア管、ピッツバーグ響、ロイヤル・ストックホルム・フィル、N響へ出演し、またチューリヒ・トーンハレ管の定期演奏会とドルトムント、バーゼル公演にも出演。2012-13シーズンにはBBC響のアーティスト・イン・フォーカスを務め、2013年のBBCプロムスではファースト・ナイトのソリストを務めている。

 

50枚を超えるレコーディングでは、ディアパソン・ドール賞やグラモフォン賞など、多数の国際的な賞を獲得している。最新盤〈イン・ザ・ナイト〉では、自身のピアノ・ソナタ第2番「夜の光」を初収録。また複数カメラで多角的に演奏を撮影し、楽譜や解説を加えたiPadアプリ『ザ・リスト・ソナタ』も好評を得ている。

作曲家としてはウィグモア・ホール、ルーヴル美術館などから委嘱を受け、その楽譜はヨーゼフ・ワインベルガー社により出版。CDではオール・ハフ作品の〈折れた枝〉や、ヴォーカル・グループ「プリンス・コンソート」の歌唱による〈別の愛の歌〉がリリースされており、大きく賞賛されている。

 

著述家としても名高く、文化記事を『ガーディアン』、『タイムズ』、『テレグラフ』の各紙に寄稿し、人気を博している。2012年には、ブロードベント・ギャラリー(ノッティング・ヒル、ロンドン)で初の絵画による個展を開催。同年、ロイヤル・バレエ・カンパニーの理事に就任。現在はロンドンに在住し、王立音楽院や母校である王立ノーザン音楽大学で教鞭を執っている。

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