日本音楽財団 ストラディヴァリウス・シリーズ 2018年2月

ストラディヴァリウス・シリーズ

 公益財団法人 日本音楽財団は、アントニオ・ストラディヴァリやグァルネリ・デル・ジェスによって製作された世界最高峰の弦楽器を保有し、国籍を問わず一流の演奏家や若手有望演奏家に無償で貸与する、弦楽器名器の貸与事業を実施しています。これは、世界的文化遺産である弦楽器名器を保全し、次世代に継承するとともに、それらの活用を図ることを目的としています。また、この貸与事業を通じ、西洋クラシック音楽の発展のための国際的な貢献を目指しています。

 名フィルでは2018年2月を【ストラディヴァリウス月間】とし、主催公演3回(4公演)に、日本音楽財団よりストラディヴァリウスを貸与されている3人のヴァイオリニストが登場する<ストラディヴァリウス・シリーズ>を開催いたします。いずれも世界的に注目度を高めている、素晴らしい若手ヴァイオリニストの演奏で、名器ストラディヴァリウスの響きをお楽しみください。
アントニオ・ストラディヴァリ(1644-1737)
  • ストラディヴァリウス
    1715年製ヴァイオリン「ヨアヒム」 Stradivarius 1715 Violin “Joachim”
     この楽器は、有名なハンガリーのヴァイオリン奏者、ヨーゼフ・ヨアヒム(1831〜1907)が所有していたストラディヴァリウス1715年製ヴァイオリン5挺の内の1つである。また、ヨアヒムからヴァイオリンのレッスンを受けていた彼の兄弟の孫娘アディラ・アラニに遺贈されたことから「ヨアヒム=アラニ」という名前でも知られている。日本音楽財団が購入するまでは、アラニ家によって代々受け継がれてきた。
  • ストラディヴァリウス
    1708年製ヴァイオリン「ハギンス」 Stradivarius 1708 Violin “Huggins”
     このヴァイオリンはかつて、有名な楽器商ニコラス・ヴィヨームが所有していた。その後、イギリスの天文学者であるウィリアム・ハギンス卿(1824〜1910)が、1880年頃ウィーンの皇帝からこの楽器を購入し、所有していたことから「ハギンス」と呼ばれている。色艶も鮮やかで保存状態に優れている。日本音楽財団は1997年よりベルギー・エリザベート王妃国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門優勝者に副賞として次のコンクールまでこの楽器を貸与し、コンクールの発展と演奏家の技術向上に寄与している。
  • ストラディヴァリウス
    1717年製ヴァイオリン「サセルノ」 Stradivarius 1717 Violin “Sasserno”
     1845年からフランスのサセルノ伯爵が所有していたことからこの名前で呼ばれている。1894年にはヴァイオリン奏者のオットー・ペイニガーが所有し、その後にイギリスで有名な醸造所を所有していたピカリング・フィップスの手に渡った。1906年にはイギリスの産業資本家ヘンリー・サマーズが所有し、それ以後90年以上にわたり同家で大切に保管されていたため、製作時のままのニスが多く残っており保存状態が非常に優れている。

Photo: S. Yokoyama

ストラディヴァリウスとは

 アントニオ・ストラディヴァリ(1644-1737)が製作した弦楽器を「ストラディヴァリウス」と呼んでいる。これは、彼が楽器の内部のラベルにラテン語でストラディヴァリウスと書いたことからそう呼ばれるようになった。ストラディヴァリは、北イタリアのクレモナの弦楽器製作の第一人者であるニコロ・アマティ(1596-1684)の一番弟子として10代のころからアマティのもとで、ヴァイオリン製作の伝統技術を学んだ後、1680年に独立し彼独自の製作法を確立していった。師であるアマティ没後は、ストラディヴァリの名声はヨーロッパ中に広まった。 「ストラディヴァリウス」は理想的な音色を備えており、今も昔も、多くの演奏家が一度は手にしたいと憧れる楽器である。また、構造の美しさと精密さで知られており、今も昔も、多くの演奏家が一度は手にしたいと憧れる楽器である。また、構造の美しさと精密さで知られており、特別な音楽ファンでなくとも、その名を聞いたことのない人は今日では極めて希なくらいで、弦楽器銘器といえば、「ストラディヴァリウス」がまず挙げられる。 「ストラディヴァリウス」が製作された1680年代から1730年代といえば、宮廷や教会での室内楽が主流であったにもかかわらず、現在の2,000人クラスの大規模ホールにおいてもピアニッシモのような繊細な音色がホールの瑞々まで響いて聴こえるのは、素晴らしいことである。 ストラディヴァリは、90余年でその生涯を終えるまでに約1,100挺の弦楽器を製作したといわれている(文献によって多少違うが、この数字はクレモナ市の資料による)。その後、戦争等で破損された楽器も多く、現存する「ストラディヴァリウス」は、約600〜700挺といわれ、1902年発刊のイギリスのヒル商会の『アントニオ・ストラディヴァリ』によると、ヴァイオリン540挺、ヴィオラ12挺、チェロ50挺の「ストラディヴァリウス」の存在が確認されている。 300年を超えて楽器愛好家や演奏家によって大切に受け継がれてきた銘器「ストラディヴァリウス」には、それぞれ過去の著名な所有者や著名な演奏家等のニックネームが付けられることが多く、下記のとおり、日本音楽財団が保有するストラディヴァリウス19挺すべてにニックネームが付いている。中には複数のニックネームがついている楽器もある。

「日本音楽財団保有のストラディヴァリウスのニックネーム一覧」
所有者名 演奏家名 その他
ドラゴネッティ パガニーニ ドルフィン
ロード・ニューランズ フォイアマン ジュピター
ハギンス ヨアヒム
エングルマン ウィルヘルミ
カンポセリーチェ
ブース
サセルノ
サマズィユ
ムンツ
ロード・アイレスフォード

日本音楽財団 保有楽器一覧はこちら

ストラディヴァリウス・シリーズ公演詳細

シリーズⅠ “ヨアヒム”

豊田市コンサートホール・シリーズ Vol.5
Toyota City Concert Hall Series Vol.5
2018年2月3日(土)4:00pm 豊田市コンサートホール
Toyota City Concert Hall
  • 小泉和裕(指揮/名フィル音楽監督)
    Kazuhiro KOIZUMI, Conductor / Music Director
  • 豊田市ジュニアオーケストラ*(共演)
    Toyota City Junior Orchestra
  • レイ・チェン**(ヴァイオリン)
    Ray CHEN, Violin
  • 【サイド・バイ・サイド】ワーグナー: 楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕前奏曲*
    【Side by side】R. Wagner Prelude to “Die Meistersinger von Nürnberg”
  • ブルッフ: ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26**
    M.Bruch Violin Concerto No.1 in G minor, Op.26
  • ブラームス: 交響曲第1番ハ短調 作品68
    J.Brahms Symphony No.1 in C minor, Op.68
小泉和裕
レイ・チェン
Photo: Tom Doms

 豊田市の名ホール舞台にお贈りする本シリーズ、ついに名フィル音楽監督・小泉和裕が豊田市コンサートホールに登場!名曲「ブラ1」に加え、日本音楽財団から貸与されているストラディヴァリウス「ヨアヒム」で奏でる俊英レイ・チェンのブルッフは必聴!

共催:公益財団法人豊田市文化振興財団 豊田市・豊田市教育委員会

シリーズⅡ “ハギンス”

第60回市民会館名曲シリーズ〈ベートーヴェン・ツィクルスⅤ〉
The 60th Famous Works Series / Beethoven Zyklus Ⅴ
2018年2月8日(木)6:45pm
日本特殊陶業市民会館フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)
NTK Hall Forest Hall
  • 川瀬賢太郎(指揮/名フィル指揮者)
    Kentaro KAWASE, Conductor
  • イム・ジヨン*(ヴァイオリン)
    Ji Young LIM, Violin
  • ベートーヴェン: ウェリントンの勝利(戦争交響曲) 作品91
    L.v.Beethoven Wellingtons Sieg (Battle Symphony), Op.91
  • ベートーヴェン: ロマンス第1番ト長調 作品40*
    L.v.Beethoven Romance No.1 in G major, Op.40
  • ベートーヴェン: ロマンス第2番ヘ長調 作品50*
    L.v.Beethoven Romance No.2 in F major, Op.50
  • ベートーヴェン: 交響曲第4番変ロ長調 作品60
    L.v.Beethoven Symphony No.4 in B flat major, Op.60
川瀬賢太郎
Photo: Yoshinori Kurosawa
イム・ジヨン
Photo: Rami Hyun

 名フィル指揮者 川瀬賢太郎が登場。「ウェリントンの勝利」は実演ではほとんど聴くことのできない珍曲。「ロマンス」では、エリザベート・コンクール優勝で世界の注目を集め、日本音楽財団からストラディヴァリウス「ハギンス」を貸与されている韓国の新鋭と初共演。

シリーズⅢ “サセルノ”

第454回定期演奏会〈シドニーⅡ/1万ドルのシンフォニー〉
The 454th Subscription Concert
2018年2月16日(金)6:45pm/17日(土)4:00pm
日本特殊陶業市民会館フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)
NTK Hall Forest Hall
  • 広上淳一(指揮)
    Jyunichi HIROKAMI, Conductor
  • アリーナ・ポゴストキーナ*(ヴァイオリン)
    Alina POGOSTKINA, Violin
  • クーネ: エレヴェーター・ミュージック[日本初演]
    G.Koehne Elevator Music [Japan Premiere]
  • シベリウス: ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47*
    J.Sibelius Violin Concerto in D minor, Op.47
  • アッテルベリ: 交響曲第6番ハ長調 作品31『ドル・シンフォニー』
    K.Atterberg Symphony No.6 in C major, Op.31 “Dollar Symphony”
姉妹都市:名古屋・シドニー
広上淳一
アリーナ・ポゴストキーナ
Photo: Nikolaj Lund

 京響名古屋公演も人気の広上淳一が、5季ぶりに名フィル定期に登場!楽しすぎるシドニー響委嘱作と、日本音楽財団からストラディヴァリウス「サセルノ」を貸与されている名手とのシベリウス、コンクール優勝で1万ドルの賞金を獲得した交響曲の3曲を指揮。

共催:名古屋市

ご来場者プレゼント

ストラディヴァリウス・シリーズの各公演へ
ご来場いただいたお客様全員に、

会場にて特製しおり
プレゼント!

予告なく変更になる可能性がございます。

会場アクセス

豊田市コンサートホール
〒471-0025 愛知県豊田市西町1-200 豊田参合館10F
  • 名鉄豊田線・三河線「豊田市」駅より徒歩3分
  • 愛知環状鉄道「新豊田」駅より徒歩5分
日本特殊陶業市民会館フォレストホール
〒460-0022 名古屋市中区金山1-5-1
  • 地下鉄名城線「金山」駅北改札口から地下連絡通路にて徒歩1分
  • JR中央本線・東海道本線、名鉄本線「金山」駅北口より徒歩5分
主催:
公益財団法人 名古屋フィルハーモニー交響楽団
特別協力:
  • 日本音楽財団
  • 日本財団