第431回定期演奏会 <変容とその前>

第431回定期演奏会 <変容とその前>

定期演奏会

2016.1.15 (金) 6:45pm / 16 (土) 4:00pm

愛知県芸術劇場コンサートホール

出演

プログラム

第431回定期演奏会 使用楽譜変更のお知らせと指揮者・尾高忠明のメッセージ


R.シュトラウス:

メタモルフォーゼン-23の独奏弦楽器のための習作 AV.142
ブルックナー:  交響曲第9番ニ短調[コールス版]

※指揮者の意向により、[ノヴァーク版]から変更になりました。

料金

S席:¥6,200

A席:¥5,100 

B席:¥4,100

C席:¥3,100
D席:¥2,100

Y席:¥1,000(24歳以下・当日券のみ)

託児サービス対象公演

聴きどころ

尾高忠明が選んだ、二人の偉大な作曲家の到達点ともいうべき晩年の傑作! 「メタモルフォーゼン」はシュトラウスが大戦でずたずたになった母国ドイツへ捧げた挽歌で、『英雄』の「葬送行進曲」の動機を引用・変奏しています。ブルックナーは、常に自作を改訂してきた作曲家ですが、最後の交響曲はその死によって未完に終わったため、変容前の姿のまま残されました。

 

指揮者・尾高忠明よりメッセージ


 

ウィーンで学んだ父(尚忠)はブルックナーを愛していた。中でも第9番にぞっこんだった父は、帰国後、早く振りたくて仕方なかった。しかしその願いはなかなか叶えられずに月日がたった。

そして亡くなる前年の12月、日本交響楽団定期で、念願叶いブルックナーの9番を指揮した。

日比谷公会堂の舞台袖で聞いていた母は、私にその時の様子を話してくれた。「演奏が終わってもなかなか拍手もなく、お客様にはとても難解だった感じで、少しがっかりしていたところへ、涙を流しながら、父が帰ってきてこう言った。『ブルックナー叔父さん、良かったね、天国に行けて!』」

この話は小さい私に衝撃を与えた。シューリヒト/ウィーン・フィルの名盤が出たとき、早速聞いてみた。

すごい・すごい・すごい! 今でも、体の中を電流が激しく渦巻いたのを覚えている。指揮者への道を歩みはじめて心に決めていた。「デビューはこの曲だ!」しかし、父もなかなか振らせてもらえなかった曲だ。N響の「ラジオデビューはブラームス2番、演奏会デビューはブラームス1番」だった。何年もたってから初めて東京フィルで振ることができたが、初めて聞いたときの衝撃がよみがえった。別に父のまねをしたわけではないが、舞台袖に戻った時、嗚咽を漏らしていたのを思い出す。

9番は作曲家自身による改訂版が存在しないので、それほど大きな変化はなく、数年前まではNOWAK原典版を使用してきたが、楽譜というものは多かれ少なかれ、訂正が必要なところがある。そのような細かい点をコールス氏が見事に処理して今回の版ができあがった。アーノンクールさんがウィーン・フィルとこの版で演奏している。

私が生まれる2年前に作曲されたメタモルフォーゼンは、弦楽オーケストラ作品中、屈指の名曲だ。ベートーヴェンの英雄交響曲のテーマが出てくる所ではいつも鳥肌がたってしまう。なぜ、頻繁に演奏されないのか? 答えは簡単だ、大変な難曲である。23名の奏者がそれぞれ独立し、ある時は一緒になり、素晴らしい織物を編んでいくようにロマン派音楽のうねりが最高だ。そして英雄交響曲!

ここ数年、毎回素晴らしい演奏を繰り広げてくれている、名古屋フィルとの後期ロマン派の極地というプログラム。待ち遠しくてしょうがない。


 

その他プレイガイド

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